私立大であっても、成績優秀であれば、給付制奨学金や授業料免除などの仕組みを利用できるため、経済的な負担をおさえることはできる。なかには、国立大医学部を蹴って、特待生として私立大医学部に進学し、しかも6年間特待生を維持することで、国立大に進学するより安上がりに私立大医学部を卒業した学生もいるという。
成績優秀であれば、学費が無料の大学が選択肢になる。準大学といわれる防衛大学校、海上保安大学校、気象大学校などだ。文科省の管轄ではない、省庁が設置した大学校だ。入学と同時に国家公務員になり給料や賞与も出るが、寮生活を強いられるなど制約も少なくない。卒業すると、将来の職業も決まってしまう。しかも受験は難関だ。防衛医科大学校の倍率は昨年17.4倍だった。
成績優秀でない場合、通信制や夜間部に進学して学費をおさえるという方法もある。夜間部はすでに多くの大学が学生募集を停止してしまったが、東京理科大、日本大、東洋大などでは募集している。昼間働き、夜間大学に通う、いわゆる勤労学生だ。ところが、最近は人気が上がってきているようだ。東洋大の2部・イブニングコースは今年3475人が志願し、倍率は2.6倍だった。5年前の志願者は1322人だったから、かなりの急増だ。大学によると、3000人超になったのは21年ぶりだという。また東京電機大は、来年から二部の学生を対象に、昼間は学生職員として大学で働き、夜学ぶ「はたらく学生入試」を工学部第二部に新設する。