丹波市の谷口進一市長は今回の開発をきっかけにさらにシステムを発展させたい考えで、「例えば、医療機関や介護施設、調剤薬局などをネットワークでつないで、包括ケアサービスを提供できる環境を整えられればと考えています。処方薬の重複投与による副作用を防いだり、膨らみ続ける医療費の削減にもつなげたりしていきたいですね」と市民サービスの向上に期待をかけていた。
開発のカギとなった“三方一両得”
丹波市では、医療機関から送られてくる予防接種委託業務の予診票をもとに台帳をつくり、適切な接種が行われているかどうかを確認しているが、毎月約1000~2000枚、インフルエンザの予防接種期には約5000件の接種実績をパソコンに手入力していた。しかし、入力が終わるまでに約1カ月かかり、後日ミスが判明するという状況だったが、システムの導入によって自動化され、煩雑な業務から解放された。
ただ、丹波市健康部健康課の大槻秀美課長は、こう指摘する。
「このシステムが市の業務の効率化だけが目的だったらうまく導入できなかったかもしれません」。市、医療機関、市民が“三方一両得”となる利便性が成功の原動力となったというのだ。