そのスケジュール管理に無駄はないか? 手帳は選び方よりも「使い方」が大事 (1/3ページ)


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 【働き方ラボ】2019年がやってきた。もうすぐ平成も終わり、新しい時代が始まる。ここ数カ月、何か行事があるたびに「平成最後の」というフレーズを使ってしまうことだろう。(常見陽平)

 秋頃から年末年始にかけて盛り上がるのが、ビジネス雑誌の手帳特集や、時間術特集だ。「来年こそは変わりたい」という想いからだろうか。スマホの時代だが、紙の手帳の売上は好調だという。Googleカレンダーなどや、勤務先で使用しているグループウェアを利用する方も多いことだろう。しかし、このようなデジタルのスケジュール管理ツールが普及したがゆえに、紙の手帳に回帰する人、併用する人が増えているという。手軽に取り出して簡単に書けることや、情報を俯瞰できることが評価されている。

 そういえば、昨年末に興味深い本と出会った。『手帳と日本人』(舘神龍彦 NHK出版新書)がそれだ。日本人がいつから、どのように予定を管理してきたかがわかる秀逸な本だ。旧日本軍の軍隊手牒から、企業が支給する年玉手帳、1980年代にブレークしたシステム手帳、2000年代に流行したほぼ日手帳や有名人手帳など手帳の多様化、さらには前述したようなデジタル手帳の台頭などを幅広く紹介し、深く分析し、わかりやすく伝えている。

 手帳に悩むビジネスパーソンは多い

 個人的に、大きくうなずき、膝を打ったのは、バブル崩壊、平成不況により企業が福利厚生を見直し、その結果、年玉手帳が減少したこと、それによりビジネスパーソンが自分のビジネススタイルやビジョンに合ったものを求めて手帳ブームが起こったということだ。ちょうど私は97年に社会人になったが、1、2年ほどは年玉手帳が配られていたと記憶している。これは、得意先にも配るものになっており、楽しみにしていたお客さんもいた。何より、社内で誰もが使っているものなので、同じ手帳を先輩がどう使うのかを通じて時間管理術を学ぶこともできた。

 年玉手帳には企業の理念や、社内のルールなども書かれているので、ビジョン浸透の意味もあった。それこそ、電通の手帳にはつい最近まで、身震いするような「電通・鬼十則」が載っていた。90年代から現在にかけて年玉手帳が減少する中(最近は復活しているとの記述も同書にはあったが)、企業はビジョンの浸透に苦労するし、ビジネスパーソンは自分のあるべき姿に悩み、模索するという状況だったことも推察される。

その時のワークスタイルに合ったものを使う