・(1)就学するまで九九を知らなかった。
・(2)小3までに読書習慣がついていなかった。
・(3)中2の数学でつまずいていた。
その記事によると、(1)については、小学校入学直後に自分の周りに九九ができる子がいることが分かり、「自分はできない(ダメな)子なんだ」と思ってしまうことでその後の学習に支障をきたすのではないか、(2)については、問題を解くのに必要な語彙・読解力の習得に遅れが生じるからではないか、といった解説がなされていた。
これを日本に当て嵌めてみるとどう解釈できるのか? 筆者の個人的感覚ではあるが、「高校の途中で学業不振に陥り、その後(周囲の協力やら配慮のお陰で)なんとか卒業には漕ぎ着けたものの……」といったところだろうか。
やや余談ではあるが、元・文科省高官のなかには、「中退をなくすには数学の必修を廃止するのがいい。…その一番の要因は数学にあると思っている。…論理的思考力を養うために必要というが、それは国語の授業でやったらいい」とのたまう方もいらっしゃるようだが、ボーダーライン上にいる生徒が易きに流れるようなことをしてどうなる? 「ゆとり」は失敗だったという結論が出ているではないか。
「連立方程式」はさほど大きな問題ではない
閑話休題。そこでだが、本稿では上記(1)と(2)には踏み込まず、専ら(3)について考えてみたい。
まず、「中2の数学でつまずく」とは、具体的にはどの単元なのか?
筆者の経験からいくと、生徒やその保護者から直接聞く話として、主に以下の3つが思い浮かぶ。