しかし逆に言えば、ここから先が、日本のフィンテック分野のそれぞれのサービスが本格的に社会に広まり、日本ならではのローカライズがなされ、実際に人々に生活の中で活用され始めるステージに入る。つまりとてもエキサイティングな時代に突入するということが言えるのではないでしょうか。
日本独自のフィンテック
日本のフィンテックの多くは、アメリカ発のアイデアをベースにしたものだ、と僕の私見を述べましたが、最後に日本独自のフィンテックについても触れておきたいと思います。日本には、「ユニークだなぁ」というフィンテックサービスがあります。それが、「VALU」そして「タイムバンク」というサービスです。貨幣に代わる価値を、代替となる貨幣の「トークン」に置き換えて、価値の流通を行う新しい経済のあり方を提案するサービスです。
「VALU」は、自分自身に価値をつけて取引できるSNSサービス。ユーザー同士がサポートし合うことで「なりたいもの」や「やりたいこと」が実現される、という内容です。少し似ていますが、「タイムバンク」は、空いた時間の売買ができるアプリ。自分が持っているスキルや特技を出品して売ることができたり、スペシャリストの時間を買ったりすることができたりするサービスです。
どちらも、日本ならではのユニークなサービスになります。これらサービスの礎には、自分や時間を貨幣とし流通させようというトークンエコノミーの考え方がある。トークンエコノミーは、将来的に新しい経済圏をつくる可能性のあるものとして、さらに先を行くフィンテックの1つの形として注目されています。
以上、駆け足ではありましたが、フィンテックという分野がどの程度の広さがあって、そこにどんなプレイヤーが蠢いているのか? その触りくらいは紹介できたのではないかと思います。これから熱くなっていく分野ですから、皆さんも、生活の中で散見されるフィンテック・プレイヤーの動きには、ぜひ注目してみてください。
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【フィンテック群雄割拠~潮流を読む】は甲斐真一郎さんがフィンテックと業界の最新事情と社会への影響を読み解く連載コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら