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「ふるさと納税で節税しよう」の落とし穴 そもそも何がお得なのか (1/4ページ)

平野泰嗣

 昨年末、毎日のように流れていた「ふるさと納税」のテレビCM。それを見て初めて「ふるさと納税」をやってみたという人も多いでしょう。総務省の「ふるさと納税に関する現況調査結果」によると、2017年度の1年間のふるさと納税の件数は約1730万件で、金額は約3653億円に達し、3年前と比較すると件数・金額ともに10倍近く伸びています。ここ数年で急激にふるさと納税が浸透したといえます。(ファイナンシャルプランナー・平野泰嗣)

 しかしネットでは、ふるさと納税について「節税」「控除」「節約」といったキーワードが使われ、「お得な制度」であることを強調するものが多く、中には、誤解を生じかねない表現が使われています。ふるさと納税は実際にお得な制度なのでしょうか?

ふるさと納税はそもそも何がお得なの?

 ふるさと納税の実態は「納税」ではなく自治体への「寄付」です。一般的に自治体に寄付をした場合は確定申告を行うことで寄付金額の一部が所得税・住民税から控除されます。下図の「所得税の控除額」と「住民税の控除額(基本分)」が該当部分です。ふるさと納税の場合、住民税の控除額(特例分)が通常の控除に加えられて、その結果、原則として、寄付した金額から2000円を除いた額が控除の対象になります。

 控除だけがメリットではありません。「ふるさと納税をして何がお得なの?」といわれれば、お得なのは寄付すると、多くの自治体からもらえる特典です。特典内容は各自治体の特産品(酒、米、農産物、水産物)などの「返礼品」です。

 例えば、ある自治体に3万円を寄付すると、1万円相当の果物が返礼品として送られてきて、寄付した3万円のうち2万8000円は所得税・住民税で戻ってくるのです。

寄付30000円(支出)-自己負担2000円(支出)=28000円(控除・還付)

さらに…

ほとんどの自治外で返礼品を受け取れる

 つまり、ふるさと納税は「実質2000円の自己負担で、金額に応じた返礼品がもらえる制度」ということができます。

寄付金額の「上限」を知る

 ふるさと納税を上手に活用するには、実質負担額2000円でできる寄付金額の上限を知ることがカギになります。ふるさと納税は際限なく控除されるというわけではなく、上限が決まっていて、住民税所得割の2割を限度としているからです。この住民税の所得割の金額は、収入や家族構成など、各個人の状況によって異なります。

 この上限金額は、残念ながら簡単に計算することはできません。ふるさと納税に関する情報サイトでは、年収と家族構成ごとに目安の上限金額の一覧表や簡易シミュレーションが掲載されているので、それらを活用しましょう。

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