迷える読書民を救う!? まちの書店の「カウンセリング」受けてみた (2/3ページ)

読書カウンセリングを行う坂上友紀さん。おすすめ本の解説は深く、本への愛にあふれる=大阪市北区(渡部圭介撮影)
読書カウンセリングを行う坂上友紀さん。おすすめ本の解説は深く、本への愛にあふれる=大阪市北区(渡部圭介撮影)【拡大】

  • 読書カウンセリングを行う坂上友紀さん。おすすめ本の解説は深く、本への愛にあふれる=大阪市北区(渡部圭介撮影)

 次に示されたのが探検家、星野道夫の『旅をする木』。「ものの見方がすごいシンプルです。シンプルだからこそ深くて、人間の真理みたいなものが、ポッっと出てくる」

 海外の作品も出てきた。デンマークの作家、イサク・ディーネセンの『バベットの晩餐(ばんさん)会』。「映画にもなりました。宝くじを当てた女性が大事な時を過ごすためにお金を使います。小さなできごとを、誠実に書いている感じがすごくいいですよ」

 本へのあふれる愛、深い知識を感じさせる解説を聞いていると、どれも読んでみたくなるのだが、「海外作品はちょっと…」。すると「食わず嫌いでしょ」とずばり指摘された。確かにあまり手にしたことがないので、『バベットの晩餐会』を購入した。

 読まない人に届けたい

 幼少期から本を読み続けてきたという坂上さん。大学卒業後も書店などで勤務したが、「本棚には売れ筋の本だけを並べ、売れない本は返品する。お客さんと話す機会もない」姿勢になじめず、自分好みの書店をつくりたいと一念発起。平成22年に「本は人生のおやつです!!」をオープンした。

 店名で「人生のごはん」としなかったのは、人生の主役は「人」であって、本は「脇役」であってほしいという願いが込められているのだとか。理想は「本を読まない人が気軽に訪れることができる店」。読書カウンセリングを始めたのも、どんな本を読んだらいいのか分からない人に、本を届けたいという思いからだった。

 若者の読書離れが指摘され、書店をめぐる環境は決して優しくないが、「読まない人に読みたいと思わせれば、まだまだ本は売れる」と前向きだ。「読書は勉強みたいな印象があるけれども、娯楽なんです。読んだら楽しいのに、読まれていない。いい本がいっぱいあるのに、これを生かさない手はないと思うんです」とも語る。

本探しのコツも聞いてみた