父子家庭 孤立防げ 悩み共有 社団法人設立へ (2/2ページ)


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■税制面で「母子」と差

 ひとり親家庭のうち、父子家庭は母子家庭に比べて年収が高い半面、親が平日に子供と過ごす時間が少ない傾向にある。

 厚生労働省の平成28年度の調査などによると、父子家庭は約19万世帯で、母子家庭(約123万世帯)の15%程度。父親の方が母親より長時間勤務する傾向があるといい、平均年収は父子家庭は420万円と母子家庭よりも約180万円高い。一方で、平日に子供が親と2時間以上過ごしているのは、母子家庭が約82%だが父子家庭では約65%にとどまっている。ふたり親家庭の約90%に比べると、かなり低い。

 年金や税制面でも差がある。遺族厚生年金には、男性にのみ年齢制限があり、妻の死亡時に夫が55歳以上であることなどが受給条件だ。所得税などを控除する寡婦(夫)控除も、男性が受けられる条件の方が厳しい。

 厚労省の担当者は「制度は『父親が外で働き、母親が家で子育てする』というかつての慣習の影響を受けており、男女平等の今の時代の流れを反映しきれていない」と話している。