割高・抵抗感で大手も参入二の足 育児の味方だけど…液体ミルク、歓迎と戸惑い (1/2ページ)

店頭に並んだ乳児用液体ミルク=11日、大阪市
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 乳児向けの液体ミルクの日本での販売が今月、開始された。粉ミルクと違って湯で溶かす手間が要らず、育児負担の軽減や災害時の備蓄用への期待が高まるが、認知不足や高コストに懸念があるほか、大手の大半が参入に消極姿勢であることなど、浸透にはなお課題が残っている。(植木裕香子)

 「液体ミルク製品が店頭に並べば、大勢の子育て中のお母さんが助かる」。一般社団法人「乳児用液体ミルク研究会」代表理事、末永恵理さん(39)は、こう訴える。5年前に長女を出産した際に粉ミルクを使用。湯で溶かした粉ミルクを冷まし、飲ませ終わると哺乳瓶を洗って消毒-という作業を数時間おきに繰り返して疲弊した経験から、液体ミルクの必要性を痛感したという。

 粉ミルク製造を行う大手メーカー・江崎グリコが昨年11月、乳児を持つ親1千人に液体ミルクについて尋ねたところ、「使いたい」が過半数の54.5%に上った。使用したい場面については「外出時に授乳するとき」の59.3%がトップで「災害時などの緊急時」(47.5%)「保育者が体調不良の時」(38.3%)-が続いた。

 同社では、平成28年の熊本地震をきっかけに本格的な開発に着手。今月上旬には国内メーカーで初めて、店頭やインターネットサイトで販売を開始した。

他メーカーの動き鈍く