受験指導の現場から

理科系学部・学科への進路選択のポイントはここ! 中・高一貫校は有利か?! (3/5ページ)

吉田克己
吉田克己

 その上、数学について、上位の私立中学になればなるほど、本来高1課程である数Ⅰと数Aを中3のうちに終えるカリキュラムになっており、高1で「数Ⅰ+数A」と「数Ⅱ+数B」に同時並行で取り組むことになる。つまり、内部進学組と較べると、理数系科目はかなり後方からのスタートになるため、「学内で上位の成績を収めて理数系学部へ」というシナリオを描くのは、あまり現実的ではなさそうだ。

後方集団からのスタートはきつそうだ

 ここからは改めて、以下のA、B、C、D、それぞれの進路によって、何がどのように違ってくるのかを考えていきたい。

Aコース:中学受験⇒中高一貫進学校⇒大学受験

Bコース:公立中学⇒高校受験⇒中高一貫進学校⇒大学受験

Cコース:公立中学⇒高校受験⇒附属中・大学のない私立高校⇒大学受験

Dコース:公立中学⇒高校受験⇒公立高校⇒大学受験

 いずれの進路も大学受験が前提となるため、ここでの論点の中心は、「理科系学部・学科への進学を目指す際、高校の3年間で理科系科目の学力を最大限に高められそうなのは、どの進路なのか?」ということだろう。

 もちろん、それぞれの学校の先生の指導力の差に依るところが最も大きいことは間違いないが、進路が異なれば「どの時期に何を学ぶのか」が変わり、子供の適性が同じであっても、大学受験時点の仕上がり具合がかなり違ってくることになるはずだ。

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