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7割弱が「具合悪い」を訴える日本の異常 五感を忘れた生活が認知症を早める (2/5ページ)

ボケないために、体のどこを使えばいい?

 そんな現代人のための脳の訓練とは何か。ボケないためには、目と鼻と耳など、五感を使うことです。人間の持つ感覚である、視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚……このうち、皆さんは、目はよく使うと思います。が、それ以外はほとんど使わないでしょう。

 人間の脳に入ってくる情報の40%は視覚からの情報だという研究結果もあるので、もちろん視覚は重要です。嗅覚は非常に原始的なもの。サルは、嗅覚を司る脳の部分が退化していて、特に人間においては極端に小さくなっています。しかし、これは記憶にはものすごく深い関係があるんですよ。

 認知症を防ぐためには、そういった感覚、普段使っていなかった五感を訓練するのがいいでしょう。

 手を積極的に使うのも大切です。かつてカナダの脳神経外科医ワイルダー・ペンフィールドが電気刺激を用いて、大脳のどの箇所が、体のどの部分に対応しているかを研究し、脳みその中を地図に描きました。そうすると、手を動かすための領域がものすごく大きくなったんです。

 例えば、背中の領域は小さい。神経の密度が低いから。それに比べると、手の領域は何倍も大きい。指先は細かい運動ができるよう神経の密度が高いからです。脳の大部分を刺激しているんです。だから、手先を動かすことは認知症対策にとても役に立ちます。

 そういった意味では、麻雀をするのもいいでしょう。パソコンを使うのもいいことですね。今の人は、昔の人より手先をデリケートに使ってるんじゃないでしょうか。

 私なんかは毎日、虫の標本を見ます。大きさは、4ミリから7ミリと非常に細かい。ピンセットで虫の足を伸ばして、その微かな音を聞いてみる。たしかに音がするんです。これ、特別に私の耳がいいというわけではありません。人間って本来そういう能力を持っているんです。日常生活で使わないだけなんです。

 本来、感覚は外の世界と結びついています。しかし近代生活だと、完全にコントロールされてしまっている。ビルの中にいれば、風も当たらない。照明も一切変わらず、床は同じ硬さで、必ず平ら。感覚がほとんど刺激されないんです。

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