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エベレスト「死のゾーン」が大渋滞 許可証乱発で不慣れな初心者殺到 (2/2ページ)

 政府は許可証発給に際し、手数料として1人当たり1万1000ドル(約120万円)を徴収しており、貧困国ネパールにとっては貴重な外貨獲得手段だ。地元ジャーナリストは「エベレスト登山を専門に取り扱う旅行会社が数多くあり、登山客1人で5万ドル以上の金が動く。エベレスト登山は国の産業の一つだ」と断言する。

 こうした状況が、経験不足の登山客を招き入れていると批判される。ニューヨーク・タイムズは「一部の登山者はアイゼンや氷上で足場を固めるスパイクの使い方を分かっていない」と指摘。登山家のアラン・アーネット氏は「エベレストと、(標高世界第5位の)マカルーの違いさえも知らない。危険を判断できるだけの経験もない」と一部の登山者を批判しており、安易なエベレスト挑戦への懸念が拡大している。

酸素ボンベや排泄物…キャンプ使用中止措置も

 登山客の増加にともなって大量発生するゴミの問題も浮上する。ネパールの登山家らは4月と5月にエベレストの清掃作業を行い、酸素ボンベや壊れた登山用具、人間の排泄物など約11トンのゴミを回収した。

 また、清掃作業に際しては4人の遺体も同時に発見され、搬送された。いずれも身元は分かっていない。エベレストでは1920年代以降、300人以上が命を落としているが、何体の遺体が残されているか正確な数は不明だ。

 ゴミ問題は中国側でも起きており、2018年春の清掃作業では8トン分のゴミが回収された。地元政府はゴミ急増に対応するため、今年に入って登山の拠点となるベースキャンプ(5200メートル地点)について観光客の使用を認めない措置を取った。

 著名な英国人登山家のニック・ホリス氏は初心者登山の増加などで「エベレストの風景は変わった」と指摘。世界最高峰が身近になった今こそ、山に対する恐れと敬意が求められそうだ。

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