糖尿病では、血糖値をできるだけ正常範囲内に保つことが、病気の進行を食い止め、合併症を予防するのに大切だ。血糖値を下げる薬「インスリン」を自己注射する患者は、1日数回、指先で少量の採血をして血糖を測り、薬の量を調整する。
しかし近年、皮膚に着ければ血糖変動を連続して測れる装置が急速に普及している。1日の中での変動を知れば、きめ細かい調整で高血糖、低血糖を避けるのが可能になった。装置の使い方について専門家に聞いた。
きめ細かな対応可能
この、持続血糖測定器(CGM)は、厳密には血糖を測るわけではない。早くから療養指導にCGMを活用してきた東京慈恵会医大の西村理明教授(糖尿病学)によると、血糖値と連動する皮下の「間質液」の糖濃度を連続して測定、記録する。変動は血糖値から少し遅れるが精度は高く、ほぼ血糖値と同等と考えていい。西村さんは「採血ではその時点の血糖値しか分からないが、CGMは変動を持続的に把握できるのが特長」という。
糖尿病では、血糖の自己管理が求められる。だが従来、管理が良好かどうかは受診時に血液検査をして、過去2~3カ月間の血糖値を反映したHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という数値を調べるのが主流。ただ、HbA1cはあくまでその期間の平均値。数値が良くても、血糖値が乱高下している場合もある。
これに対してCGMは、日常生活における変動データが全て得られる。乱高下していれば、食事や薬をどう変えればいいのか、よりきめ細かい対応が可能になった。
必要なのは、二の腕やおなかに着けたセンサーと、測定値を見る専用機器や専用アプリを入れたスマートフォンだけ。患者は人目を気にせずいつでも、どこでも数値を知ることができる。