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「なにもしていない人はダメ」という人を追い詰める“効率と生産性の追求” (5/5ページ)

 優しくすると、人はけっこう頑張る

 「いる」を支えてあげることで、その人の力で何かし始めるはずだという信頼は大事です。人は周りが思っているより問題にちゃんと向き合っているし、支えられれば問題解決する力がある。みんな本当はそうやって生きているのに、人のこととなると忘れてしまうんですよね。そして、相手を追い込んでしまうんだけど、追い込まれると問題と向き合えなくなるんです。問題と向き合うためには余裕がいります。これは強調しておきたい。

 ――なるほど……。このすれ違い、会社の上司と部下でもありそうです。

 【東畑】かなり多いんじゃないですか。パワハラとかもそうですよね。優しくしてあげると、人はけっこう頑張るんだということを忘れている。何で忘れてしまうかというと、その人自身も追いつめられているからなんですよね。ここがつらいところです。

 東畑 開人(とうはた・かいと)

 十文字学園女子大学 准教授

 1983年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士過程修了。沖縄の精神科クリニックでの勤務を経て、2014年より十文字学園女子大学専任講師、2019年より現職。17年に白金高輪カウンセリングルームを開業。専門は臨床心理学。2019年2月、精神科クリニックのデイケア施設での日々を綴った『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』(医学書院)を刊行。

 (十文字学園女子大学 准教授 東畑 開人 聞き手・構成=いつか床子)(PRESIDENT Online)

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