試乗スケッチ

まだこの顔に違和感ある? 万人受けは狙わない三菱自「ekクロス」 (3/3ページ)

木下隆之
木下隆之

 キュートな野獣?

 デザインコンセプトは「THE CUTE BEAST」だという。「キュート」は可愛いを意味する。「ビースト」は確か、獣だとか四つ脚の動物だったはず。不安になって辞書を紐解くと、俗語では「馬力のあるクルマ」とある。「ひどい人」だとか「イヤな人」という和訳にまじって、「めっちゃいい」とか「めっちゃかっこいい」とある。それが一般的なのかわからないけれど、なかなか攻めたキャッチーであろう。

 そもそも「X」文字の跳ね上がったウイングに埋め込まれたライトはヘッドライトではなくLEDポジションランプだという不思議。切れ上った目のイメージからてっきりヘッドライトかと決めつけたら裏切られた。へッドライトは下段に縦に並んでいるそれである。低い位置に埋め込む事によって、対向車や往来する人々の眩惑を避ける意味がある。とはいうものの、デザイン的なインパクト狙いが本心のような気がする。

 「ek X」は、アグレッシブな印象を強める為に、細部にもこだわりの処理が伺える。ホイールアーチには黒いシールが貼られ、サイドスポイラーも黒である。これによってホイールアーチが大きく、大径タイヤのような視覚的錯覚が得られる。車高も高く感じる。よりクロスカントリー風なイメージが強調されるのだ。そういえば車名は「ek X」だった。

 そう、改めて写真を眺めて欲しい。今でもこの顔に、違和感がありますか?

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】こちらからどうぞ。

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