大阪市で6月に開催された20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で、大規模な交通規制が行われた開催前後4日間(27~30日)に、市内で路線バスを運行する大阪シティバスが計274便を急遽(きゅうきょ)運休させていたことが同社への取材で分かった。最大で約3時間遅れた便もあり、大型イベント時の公共交通機関の運行に課題が残った。
この4日間は、阪神高速道路の10路線で全面通行止めとなったほか、首脳らが宿泊したホテル周辺など一般道でも頻繁に交通規制を実施。交通量が半減した結果、大きな渋滞は発生しなかったが、大阪駅周辺で連日数時間通行止めが続くなどした。
今回、交通規制が敷かれた一般道で運行していた路線バスのほとんどは同社のバス。同社は、事前に運休を予告する「計画運休」を実施したが、通行止めの長期化などの影響により、大阪駅周辺を通る便を中心にダイヤが大きく乱れ、計画運休以外にも運休せざるを得なくなった便が続発。6月27日の100便を最多に4日間で計274便が運休となった。
遅れも多数発生し、最大で3時間遅れた便があったほか、通行止め区間を避けるため4日間で計920便が迂回して運行。大阪駅周辺では、乗客が途中でバスを降りて駅まで歩いたり、運行情報の説明を求めて利用者が職員に詰め寄ったりする場面もあった。
同社では規制が行われていた4日間で計約2万3700便を運行したといい、担当者は「遅れの時間は予想より長くなったが、全体的な影響は比較的少なくとどめられたと考えている」としている。