「歩くときに違和感を覚える」「正座できない」-。日常生活でこのように感じる人も多いのではないだろうか。そんな膝の痛みのうち、「変形性膝関節症(膝OA)」の患者は40歳以上で推定2500万人を超えるというが、「年だから…」となかなか医療機関を受診しない人も少なくない。症状が悪化しうまく歩けなくなり、転倒による骨折などから介護が必要な状態になる恐れもあり、専門家は「適切な治療のために、早めの受診を」と呼びかけている。
自覚症状のない人を含めると、日本人の約5人に1人、40歳以上では約3人に1人が膝OAを抱えている-。こんなデータが東京大の吉村典子教授らによる調査で明らかになった。
厚生労働省が発表した国民健康・栄養調査報告(平成28年)では「現代の国民病」とされる糖尿病が疑われる成人の推計が初めて1千万人を超えたとされ、人数の上では、膝OAも「国民病」のひとつと言えるだろう。