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多発・再発しやすく…「尿管がん」でなぜ腎臓を取るのか (1/3ページ)

 多発・再発しやすく 同時摘出が標準的

 Q 63歳の女性です。今年3月に膀胱(ぼうこう)がんと診断され、経尿道的膀胱腫瘍切除術「TUR-Bt」を受けました。その後、膀胱の奥の方にがんが見えるとのことで、7月に再度、同手術となりました。今度は尿管にがんが見つかり、手術を予定しています。手術が続いて不安です。

 A 最初は膀胱がんの診断。その時は開腹せず、内視鏡によるTUR-Btを受けたのですね。続けて尿管がんも見つかり、心配なのは当然です。この二つのがんは、尿路上皮がんといい、同じ性質のがんです。

 Q 尿管にがんができて、それを摘出するのは理解できますが、今度の手術では開腹して腎臓まで取るということです。その理由がよく分かりません。

 A 膀胱がんが再発したように尿路上皮がんは多発・再発しやすい特徴があります。また、尿管は細く内視鏡でも入りにくいので、正確な腫瘍の範囲の診断が困難です。

 仮に尿管の一部に腫瘍があることがわかって尿管の部分切除を選択して膀胱につなぎなおすことができたとしても、残した尿管や腎盂(じんう)にも再発するリスクが高いことが分かっています。こうしたことから、尿管の手術の際に同側の腎臓、尿管を一緒に摘出する腎尿管全摘が標準的な治療となっています。

 Q 腎臓を残せる可能性はないのでしょうか。

 A 悪性度の低い腫瘍の場合、尿管の部分切除が行われる場合もあります。膀胱に近い部位であれば、残った尿管を膀胱につなぎなおすほか、回腸という小腸の一部を使って尿路を再建する治療法があります。しかし高悪性度や、多発している場合は再発のリスクが高く、再発した場合に手遅れになる可能性が高くなります。このため、腎臓を残すことは、もう一の腎臓の機能が十分な場合は選択されません。

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