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中国人の間で日本の「のり弁」が話題沸騰 SNS分析で見えた“意外な真相” (1/3ページ)

 訪日客の増加で、いろいろな日本食が外国人の支持を集めている。すしや天ぷらといった定番だけでなく、居酒屋メニューやスイーツ、庶民的な料理も話題になるなど、日本の映画や漫画の影響もあってその裾野は広がっている。

 中でも最近、中国人向けSNS上で彼らが訪日時に食べた食事として話題となっているのが「のり弁当」なのだという。SNSのデータを分析したところ、今夏の投稿数は前年同期比の4倍近くまで膨れ上がり、ホットワードとして急浮上している。外国旅行中のごちそうとしてはちょっと地味な気もするが、人気の背景にあるのは「和食はおいしい」といった単純な理由だけではないようだ。SNSや中国マーケット分析からその真相を追った。

 ラーメンや刺し身より上位に

 調査は中国人のマーケット分析を手掛けるトレンドExpress(東京・千代田)が、中国語版Twitterとも呼ばれるSNS「ウェイボー」の投稿から約61万件のサンプルを抽出。19年7月~8月分の「日本で食べた」という意味の中国語が含まれる投稿を分析し、話題になっている日本食のワードをランキング化した。

 結果、「のり弁当」は約5800件投稿され、「ラーメン」や「刺し身」などを抑えて16位となった。前年同期の101位から急浮上しており、投稿数では約4倍に伸びている。「のり弁当」のみをグラフ化すると、5月末ごろから急激に投稿数が上昇している。

 トレンドExpressが運営するオウンドメディアで編集長を務め、中国市場分析に詳しい森下智史さんは、インバウンドで訪れた中国人を介して、日本の市販弁当のレベルの高さが口コミやSNSなどで広まっている、とみる。投稿では日本で駅弁やコンビニ弁当ののり弁を買ったという内容が目立つという。

 「最近は個人の中国人訪日客が増えているので、(バスツアーなどでなく)新幹線に乗った際に駅弁を買ってみた客も多いようだ」(森下さん)。

 ちなみに5月ごろから投稿が急増している理由は定かではないが、中国人訪日客数が1年でも集中する5~8月のタイミングが影響した可能性があるという。

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