教育・子育て

徳島・神山に高専、校長を公募 Sansan社長ら参画、町全体を学舎に

 クラウド名刺管理のSansan(サンサン)の寺田親弘社長らが中心となって、徳島県神山町に全寮制の高等専門学校「神山まるごと高専」を設立するプロジェクトが動き出した。2023年春の開校に向け、近く校長予定者を全国から公募する。町全体を一つの学校のように見立て、学んだ知識を日々の生活の中で実践。自らの手で社会課題の解決を図る起業家精神にあふれた「野武士型パイオニア」を育成する。

 Sansanは10年に同町にサテライトオフィスを開設。神山町を舞台に次代を担う若者と育てたいと考えた寺田社長が中心となって町民などとの議論の末、計画をまとめた。初年度は全国から40人の生徒を募り、人工知能(AI)やITだけでなく、デザインやアート、心理学など多彩なカリキュラムをそろえる。募集する校長予定者は国籍や年齢、教育に携わった経験は問わないが、5年以上のチームマネジメント経験、技術や芸術分野に関する知識を持つ者を優遇したい考え。求人情報サイト運営のビズリーチ(東京都渋谷区)に募集要項などを近く掲載する。

 設立に向けた準備委員会にはSansanの寺田社長のほか、電通の国見明仁エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターなど約20人が名を連ねる。開校には10億円以上の費用がかかるとされるが、寺田社長が数億円を寄付。賛同する企業に加え、クラウドファンディングサイトを通じて、不特定多数の個人からも寄付を募る。

 高専設立の準備委員会のメンバーであるNPO法人グリーンバレー(神山町)の大南信也理事は「社会に変化を生み出せるような人材を神山町から世界に送り出したい」と話す。

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