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地下鉄だけでは足りない…都心部の交通をカバーする「都バス」の威力 (1/4ページ)

 地下鉄が充実している東京の都市部では、バスもまた充実している。「山手線内やその周辺では、地下鉄だけでどこへでも行けるのでは?」と思っている人も多いかもしれないが、実はそうでもない。地下鉄がカバーできないようなエリアやルートがあり、そこを都営バスが補完しているのだ。(小林拓矢,ITmedia)

 首都の交通は、昔は路面電車が中心だった

 いまほど地下鉄が都内に充実した路線網を持っていない時代には、都心部の交通の主役は都電だった。現在は都電荒川線(東京さくらトラム)を残すだけになったが、路線網がもっとも充実していた時代にはおよそ213キロメートルの営業距離を誇っていた。

 そんな都電は、クルマ社会の発展や営団・都営の地下鉄が増えていったことにより姿を消していった。1972年には、荒川線を除きすべて廃止されることに。都電が廃止された際には惜しまれたものの、モータリゼーションの波に抗うことができず、輸送力の高い地下鉄が走るようになると、路上を走る都電は不利になるしかなかった。

 なお、都電がなかったころの東京都心部は、まだ都心エリア自体が狭く、歩いてなんとかできるほどの範囲でしかなかった。また昔の人はよく歩いていた。東京がまだ「市」だったころの明治時代、多くの庶民は交友関係のあった家を歩いて行き来していた。

 ほとんどの都電が廃止されたあと、地下鉄と都バスが新たな公共交通の担い手となった。都バス自体は大正時代から運行され(当時は東京市営)、太平洋戦争の後に発展していったものの、都バスが都心部の交通の中心となっていくのは、都電廃止と地下鉄路線網の充実の時期と同時期である。

 都電に定時性がなくなっていたことが問題になっていたものの、都バスもまた同じ問題にさらされていた。たくさんのクルマが走行する中で、どうやってバスを走らせればいいのか。この課題があったものの、解決策はなかなか見当たらない。それゆえ、利用者が少なくなり、都バスは赤字経営に陥っていた。

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