生理的にどうにもダメというのは別にして、好き嫌いなんて、そう深刻なことではないのかもしれない。だからといって、嫌いなままだけで、嫌いなことと長くは付き合えない。
ただ、嫌いを好きにする壁はそう高くない。つまらない狭い見方で自分を閉じ込めているのを解放する。それだけだ。
逆にいえば、好きが嫌いになるのもあっという間だ。だから好き嫌いを上手く手なずけ、多くの好きをつくっていくのが大事なのである。
それには、自分の嫌いをマッピングしていくのが役に立つ。嫌いには、ある共通項があり、その理由を突き詰めていく。そして、その理由は些細なことであり、それよりも優先順位の高いことを見いだせば、些細なことは簡単に吹き飛んでしまう。
そしてやっているうちに、嫌いだと思っていたことが、「ああ、そういえば、嫌いだったのだ!」と時を経て思い出す。しかも、まったくニュートラルに思っていたことよりも、よほど感情移入がしやすい。
人生なんて現金なものである。
【ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。