最近、買い物に出かけると、私はびっくりしたり、おたおたしたりしてしまう。
先日は東京に行き、ユニクロでTシャツ数点を購入したが、支払いの列に並ぼうとしたら、なんと店は完全無人のセルフレジに変貌していた。
で、レジ台に商品をまとめてポンと置いたら、一瞬にして全部の商品を認識し、合計金額が掲示された。それはもう、あっけにとられる速さだった。
おかげで、こちらはつい動揺し、クレジットカードを逆に挿入したら拒否されて、途方に暮れてしまったりした。
むろん、商品を袋に入れるのもセルフ。もたもたしていたら誰かに怒られそうで、私はあわててそれらを一気にリュックに突っ込んで帰ってきた。
思えば、地元のスーパーにもセルフレジはある。
こちらの方は、全商品のバーコードをひとつづつ自力で読んでいく。中にはバーコードのついていない商品もあって、検索してキュウリの絵のマークをクリックしたりもする。
これからは、こういったセルフレジが当たり前になるのだろうなあ、と思う。
それで、練習のため極力セルフレジを使うことにした。
おかげで、こちらの頭の働きを、まだ大丈夫?といちいち試されているようで、時々なんだかムッとしてしまう。
そうこうしているうちに、時代はさらに進化。どうもキャッシュレス化してしまうらしい。
スマホをかざして、ピッ、ピッ、と言わせながら買い物をするようになるとか。
その推進のため、国は消費税をアップしといて、税金をつかって9か月間ほどポイント還元なるものをする。
私もコンビニでスイカをピッとかざして、お弁当を買ってみたら、なんとお金が足りなかった。預金がゼロになっちゃっているのかと思って驚いた。
聞けば、自動チャージしてくれるのはJRの切符を買った時だけらしく、なにがどうなっているのか、結局、私はちゃんとわかってはいないのだった。
でも、ピッ、ピッとキャッシュレスで物を買っていたら、知らず知らずにお金を使いすぎてしまう恐れがある。
しかも、最近はスマホやPCメールに異常なほど広告がはいってくるけれど、これって私たちの購入実績がデータとしていろんな会社に活用されちゃっているわけで。世の中便利になったのか、ややこしくなったのか、いっそう危険になったのか、安穏としていられない気分だ。(ノンフィクション作家・久田恵)