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「人前で話す力」を落語で 島根・奥出雲の小学生9人

 島根県東部の山あいにある奥出雲町の町立高尾小が全校児童9人で落語に取り組んでいる。「人前で話す力」を育もうと授業に取り入れ、町内外で年20回以上公演。ユニークな取り組みとして、東京都内で今月開かれた教育に関する学会でも披露、駆け付けた首都圏在住の同町出身者ら約100人の観衆を沸かせた。

 都内の学会会場の真っ赤なカーペットが敷かれた高座の上で「青葉亭八朔」を名乗る6年生、藤原朔也さんが、巧みな話術で瀬戸物屋の店主をだましてつぼを手に入れる「壺算」を披露した。話すスピードや語り口を変え、2人の男と店主を器用に演じ分ける。店主をだまそうとする長くて早口な男のせりふもよどみない。

 高尾小が落語に取り組むようになったのは平成25年。当時教頭だった宮森健次さん(58)が「中学になったら生徒数が増える。さまざまな人と関わるためには、自分の考えを堂々と言えた方がいい」と、総合的な学習の時間の項目として取り入れた。分からない言葉や難しい言い回しを児童自ら書き換え、分かりやすく表現する。

 年に3回ほどの発表会を開くほか、公民館や福祉施設でも20回以上の公演をこなす。防犯や防災をテーマにした落語もあり、警察署のイベントでも高齢者らを相手に練習の成果を披露している。

 高尾小の取り組みをきっかけに、専門家も落語の教育効果に注目する。同小を学会の企画に招いた首都大学東京の岩崎正吾名誉教授は「小規模校に限らず、大勢の前で話すのが苦手な子供は増えている」と指摘。「落語の導入は、より規模の大きな学校でも有効なのではないか」と話した。

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