ライフ

未経験、段階踏んで介護職に 杞憂だった長いブランク (2/2ページ)

 仕事のブランクが長く、当初は「介護の仕事は私には無理」だと思っていた。見知らぬ人を相手に、したことのない介護をするのが不安だった。だが、あるとき、上司に「してみたい」と打ち明けた。「入居者の顔や名前、性格などが分かって、入りやすくなったんだと思います」と振り返る。

 介護の基礎的な資格である「初任者研修」を取得し、入居者の体に触れる「身体介護」にも携わるようになった。当初は食事介助で入居者がむせると不安になり、ベッド上での排泄(はいせつ)ケアにも時間がかかった。それでも、入居者から「ありがとう」と言われると、この仕事をしてよかったと思う。

 思えば、夫から「働いたら」と勧められても、仕事のブランクの長い自分にできる仕事はないと決めつけていた。自分で可能性を狭めていたことに気づいた。

 年を取れば無理は効かなくなるから、疲れたときは無理をしない。がんじがらめになるとつらくなるから、家事の手を抜く。

 「段階を踏んだから、介護の仕事ができると思えた。いきなり『介護職の募集』だったら、応募していなかったかもしれません」

 そう振り返った。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus