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新横浜ラーメン博物館のいま 世界的人気に応え欧州進出も

 【大人の遠足】横浜・新横浜ラーメン博物館

 今年、25周年を迎えた横浜市港北区のフードテーマパーク「新横浜ラーメン博物館」(ラー博)。国内に限らず、世界の人気ご当地ラーメンを1カ所に集めた同館には、これまで延べ49店舗が出店し、累計来館者数は計約2600万人。ラーメン以外にも、昭和33年の温かく懐かしい街並みを忠実に再現した内装も見どころ満載で、絶えず客を引き寄せている。郷愁を感じる空間のなか“ラーメン文化”を味わおうと足を運んだ。

 JR新横浜駅から歩いて5分のラー博は、常に営業前から順番待ちの行列ができる。地上1階と地下1、2階に分かれ、地下では国内外のラーメン店計8店舗が出店中だ。

 地下1階に足を踏み入れると、そこは昭和の街並み。夕暮れ時を再現した空模様がレトロな雰囲気を醸し出している。国鉄「鳴戸橋駅」の駅名標が掲示された入り口に到着すると、駅員がお出迎え。その横には「根木駅」や「割橋駅」など遊び心あふれる駅名が書かれた運賃表が設置されており、細部まで凝った演出に早くも胸が躍る。

 25年かけて口説く

 住宅街エリアには、トタン外壁でできた古い長屋が並び、駄菓子屋や浴場、交番など、当時の生活様式が再現されている。細道を進んでいくと、飲み屋街エリアに。質屋やバー、スナックが軒を連ね、窓辺に干されたシミーズなどに思わず目を奪われる。他にも、実際に営業している喫茶店や占い屋、居酒屋もあり、ラーメンにありつく前に寄り道したい誘惑にかられる。

 食欲をかき立てるうまそうな匂いにつられて歩いていると、ある店の前にたどり着いた。入り口の赤ちょうちんには「八ちゃん」の文字が。その店は、超濃厚豚骨ラーメンが“売り”の博多・薬院「八ちゃんラーメン」。約25年間、ラー博側が出店をオファーし続け、念願叶って今年3月にオープンした。

 同店は福岡県で昭和43年の創業以降、約50年間、本店で夜のみの営業だったが、地元民や他県のファンが足しげく通う名店だ。岩岡洋志館長(60)は「地元に愛され、その地に根ざしたラーメンを誘致することが、ラー博のコンセプト。おいしいラーメンを食べていただくだけでなく、各地域の食文化も感じてもらいたい」と話す。

 令和5年には欧州進出も

 他には横浜の人気店「支那そばや」なども店を構える。店ごとに契約期間が異なり、店の入れ替えも随時行っている。平成25年からは、海外の人気ラーメン店の逆輸入も開始。今まで計5店舗を誘致し、現在はカナダとドイツの2店舗が営業中だ。

 同館は今年秋ごろにリニューアルオープンを予定している。地上1階を改築中で、青竹を使った手打ちラーメンの製麺技法を体験できるコーナーなどを新設する。令和5年(2023年)ごろに欧州でラー博をオープンする計画も進めているといい、「世界中にラーメンの魅力を広めていきたい」と岩岡さん。国境も食習慣も越え、世界中の人々の期待に応えようと、ラー博の挑戦は続く。(王美慧)

■新横浜ラーメン博物館 横浜市港北区新横浜2の14の21。平日午前11時~午後10時、土曜午前11時~午後10時半、日曜祝日午前10時半~午後10時(変更あり)。年末年始休館。【問】045・471・0503。

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