グローバルリーダーの育て方

「アップルが赤い」と話す子 バイリンガルは日本語も英語も中途半端になる? (1/3ページ)

龍芳乃
龍芳乃

マルチリンガル(多言語)は世界のスタンダード

 前回お話しさせていただいたとおり、親の転勤により小学5年生で渡米した私は、まだ頭が柔軟な時期だったこともあり、苦労せず英語を習得しました。しかし、帰国後は、いい意味でも少し残念な意味でも、英語が私の特徴になってしまいました。同級生には「英語話せるの? すごいね」と言われ、先生からは「英語があれば大学入試で有利」と言われ、受験も近道。会社では「英語できるなら、このプロジェクトをお願いしたい!」と英語に助けられ、英語を軸に生きてきました。逆に、英語に頼りすぎてしまったため、他のスキルを磨くのを怠ったかな、とちょっぴり反省もしています。

 日本では「英語ができる」が特技になりますが、海外では違います。会社員時代を通して私も英語やそれ以外の言語を使いこなすビジネスエリートとお仕事させていただきました。国際的に活躍している方々は、まず英語ができることをなんとも思っていない。特に欧州の方々はすごいです。数カ国語を(しかも新聞が読めるレベルで!)自由自在に使いこなします。ただ、これらの方々は世界の名だたる大学を出たトップエリートですので、「まあ、当然だろうな」と思ってしまいます。

 では、世界では、エリート中のエリートだけがバイリンガルかというとこれも違う。発展途上国でも自国の言葉と英語を使いこなしている方々が多いことに驚かされます。

 例えば下の写真は、タンザニアでとある企業の二輪車の市場調査をした時のものです。街頭インタビューした方の中には、初等教育の7年間(言語はスワヒリ語)しか学校に通わなかった方もいたかもしれません。しかし、英語が流暢な方も少なくありませんでした。

 日本のご近所さん、ASEAN諸国も多言語社会です。フィリピンならばタガログ語、インドネシアならインドネシア語など、自国の言葉と英語を使いこなしている国が多いですね。

バイリンガルは論理的思考ができない?

 時代を生き抜くため、日本が世界から孤立しないためにも当たり前のように英語を使いこなす必要がある。私はそう信じてインターナショナルスクールを運営しています。英語を学ぶ場所ではなく、英語でたくさんのことを学べる場所です。

 私が経営しているGGインターナショナルスクールでは、お子さんが入学する前にご家族と面談をさせていただきます。面談の中で、幼児期からバイリンガルになることに不安を感じる親御さんもいらっしゃいます。

これまで受けた質問の例

・小さい頃から始めると言葉が遅れる?

・言語力が不十分なことから、理解力や文章力が劣る?

・セミリンガルになってしまう(どの言語も中途半端)?

・論理的思考ができなくなる?

 日本語も英語も中途半端になってしまい、言葉に遅れが出るだけでなくて、論理的思考も身に付かないのではないか。そんな不安を抱えていらっしゃるのです。

 そのご心配は、私が体験した限りでは無用だと思っています。私が接した多くのマルチリンガル(多言語を話す人)は、子供のころにバイリンガル(2言語を話す人)になっていますが、言葉の遅れもなければ、非論理的でもありません。

 私の母も帰国子女で、日本語で考えるよりも英語で考えるほうが楽です。小学校まで日本語はできませんでした。でも、高校時代には夏目漱石など日本の文学を読破した文学少女だったそうです。同じことを言っていても、英語で話すときは論理が優先し、日本語で話すときは情緒が優先するのが母の特徴です。だから、英語で怒られるときのほうが、ちょっと怖かった記憶があります。

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