相談から時代が見える
では、これまでにどのような相談が寄せられていたのだろう。
最も多いのは「異性や同性への関心」や、「性的ないじめ」、「性行為について」といった「性に関する悩み」(42・6%)。次いで、「自分と父親を比べてしまう」、「定年退職後の生活がむなしい」など「自分の性格・生き方に関する悩み」(14・9%)。さらに「夫婦間の問題」(8・8%)、「DV」(8・1%)などが続いている。
時期によって相談の傾向も変化するという。
「DV」はホットライン開設当初はほとんど相談がなかったが、平成13年にDV防止法が施行されると全体の26%にまで急増。社会でDVが問題であると認識されたことから、「暴力をやめたいけれど自分ではどうしようもない」などといった相談が寄せられた。
その後、専門の相談窓口が行政や支援機関などで開設されるようになると、ホットラインでは相談が減少していき、27年は約5%にとどまる。
同様に「セクシャルハラスメント」や「パワーハラスメント」なども、報道などで広く社会で知られ始めると、その先駆けとして相談が寄せられ、問題が認知され、専門の相談や支援の窓口ができるとともに相談が減少してきたという。
男性相談の意義は?
「現在でも、過去の体験や周囲の反応を気にして『男はこうあるべし』と考える傾向が残っている」と現代表の福島さん。また、「男性は誰かに相談するという弱みを見せることに抵抗があり、1人で抱え込む傾向がある」とも。「縛り」をどのように緩め、つらい時に「つらい」と言える社会が求められるという。
男性専用のホットラインゆえに「相談相手が男性だから話せた」と話す利用者もいて、福島さんは「まだまだ男性相談への必要性を感じている」と語る。
「『男』悩みのホットライン」は、06・6945・0252。第1、第2、第3月曜日(祝日も実施)に、午後7時から9時まで行っている。