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和歌山・高野山にクラフトビール

 和歌山県の高野町などでつくる「町クラフト般若協議会」(会長、平野嘉也町長)は、高野山真言宗の総本山金剛峯寺に、休耕田を活用した町富貴地区産のホップを使用した高野山クラフトビール「天空般若」などを奉納した。地元産の農作物を使った商品の生産で作付面積を拡大し、地域の雇用創出を目指していく。平野町長は「高野山でしか飲めない限定ビールにしていきたい」と意気込んでいる。

 町によると、富貴地区では人口減少や高齢化によって農業の担い手不足や耕作放棄地の拡大が顕著になっている。

 そのため町が支援に乗りだし、野菜の水耕栽培を手がける会社「三ツ星ファーム」(同県橋本市)が地区内の休耕田を活用。昨年からホップ栽培を始めた。収穫量は、昨年が40キロ。今年は面積を拡大し80キロに増えた。

 和歌山市でクラフトビールを手がける「和歌山ブルワリー」に醸造を依頼し、完成させた。

 今年度内に高野山内の宿坊で提供を目指している。将来的には、山内の飲食店や土産物店でも取り扱えるよう検討していく。

 ビールは「聖地」などの意味をこめて「天空般若」と命名した。

 平野町長は「香りと苦みがあり、高野山らしい深みのあるビールに仕上がったと思う。ホップの栽培によって移住者の拡大につなげたい」。金剛峯寺の添田隆昭執行長は「高野山周辺の農業が衰退している中、新しい産業ができてうれしく、その恩恵にあずかれて感謝している」と話している。

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