教育・子育て

30分でも「ぼーっとしている」のが許せない 両親が陥る“教育虐待”のワナ (2/3ページ)

 遊ばなかった子は、5年生で伸び止まる

 遊ばない子供は発想力が乏しい。親に言われたことしかできないし、塾から習ったことしか解けない。そういう応用力のない子は、いつかどこかで壁にぶつかる。幼い時から習い事をたくさんやってきた子は、中学受験では4年生の基礎学習まではなんとかなる。だが、5年生以降に応用力が求められるようになると、そこで伸びが止まる。

 幼い時からたくさんのお金を教育に投資してきたのに、成績がまったく上がらない。むしろ、下がっていく一方となった時、教育熱心な親はさらに量を増やす。そして、自分の思い通りにいかない子育てにイライラする。

 実は、母親が不機嫌な家の子供は、成績が伸びにくい。小学生の子供にとって、母親は誰よりも大切な存在だ。その母親が自分のことでイライラしていると、子供はどうしていいのかわからなくなってオロオロしてしまう。幼い子供にそうさせてしまうことも、教育虐待だと思う。

 言葉で責める「努力で成功した」父親

 教育虐待に走るのは、母親だけではない。中学受験といえば、ひと昔前までは母親と子供の二人三脚と言われてきた。ところが今は、共働き家庭が増え、教育熱心な父親も増えている。

 教育虐待に走る父親には2つのタイプがある。一つは言葉で責める父親、もう一つは過剰な管理をする父親だ。

 言葉で責めるタイプは、自分に成功体験がある父親が多い。俺は学生の時に必死に努力をして勉強をした。だから、一流の大学にも入れたし、一流の企業にも就職できた。自分ができたのだから、わが子にもできるだろうと自己投影してしまうのだ。特に息子に対してその傾向は強い。

 「何で分からないんだ!」

 「俺が子供の時はこんな問題は簡単に解けたぞ」

 「成績が上がらないのは努力が足りないからだ」

 「俺の子ならできるはずだ」

 「俺の子とは思えない」

 その口調が強くても、冷静でも、冗談っぽくっても、何度もそれを聞かされる子供にしてみれば、うれしいものではない。相手が嫌だな、つらいなと思った時点で、それはもう立派な教育虐待になる。

 エクセルで学習スケジュールを細かく管理

 算数ドリル15分、理科の復習45分、国語の語句30分……。エクセルに1日の予定をぎっしり詰め込み、それを強制する父親がいる。中学受験の勉強に学習スケジュールを立てることは望ましいが、ここまで詳細なスケジュールは子供を憂鬱にさせる。やることを管理したがる父親の共通点は、やらせる量が多いこと、短い時間設定でいろいろなことをやらせたがること。前述のやらせすぎる母親と違うのは、それをこと細かく管理したがることだ。

 だが、当然その通りにはできないし、無理に終わらせようとすれば、気持ちが焦り雑な勉強になる。雑になると、計算ミスが出る。そこで、丁寧な勉強を見直せればいいのだが、詰め込み型の父親は逆を走る。もっと速く解く練習をさせて、見直しの時間を作ろうとするのだ。

 これは明らかにビジネスの発想で、小学生の子供に求めるものではない。不可能なスケジュールを立てておきながら、できない子供を叱る。これも教育虐待だ。

 子供は「遠い未来」のためには頑張れない

 中学受験の勉強は3年を有する。大人からすると、たった3年なのだから、頑張れると思う。だが、入試が迫る6年生でも、幼い男の子なら来週のことくらいしか頑張ることができない。4年生なら今日のことで精一杯だ。

 それは努力や気合が足りないのではない。小学生の子供は、大人のように、先を見通す力がまだ十分に備わっていないからだ。子供は遠い未来のために頑張ることができない。でも、少し頑張ればできそうと予測できることに対しては、頑張ることができる。これが中学受験で成績を伸ばしていく秘訣だ。

 だから、スケジュールもあまり先まで立てないほうがいい。先々までやることが決められていると、子供はその時点でやる気をなくす。もしスケジュールを立てるのであれば、1週間でいい。その際、子供に自由裁量権を持たせることが大事だ。勉強時間を決めたら、必ず自由時間も決めさせる。スケジュールに無理を感じたら、その都度、子供と話し合い修正する。決めたことはできて当たり前と思わず、頑張っている努力を認めてあげてほしい。

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