高野山を訪れる外国人観光客は急増している。町などによると、高野山の宿泊客数は開創1200年の平成27年、約44万人と前年比約1・6倍に急増。30年は前年より約1万6000人多い約22万6000人と好調に推移している。外国人観光客も多く、30年の宿泊客数は前年比11・3%増の約9万4000人を記録した。
高野山観光情報センターの職員は「高野山の宿泊先といえば宿坊。平成16年の世界遺産登録の影響が大きいのでは」とみる。
一方、ネット上では昨年7月、全国各地の寺泊を紹介する「テラハク」が開設された。寺社振興を目指して観光企画の立案、運営などを手掛ける株式会社「和空」(大阪市北区)が運営。都道府県別や「座禅」「写経」など修行・文化体験別に検索できる。紹介数は近日公開予定を含め50を超え、今後も増える見込みだ。
■マグロ料理やカフェ併設も
掲載された宿坊には、外国人観光客を意識した新スタイルもある。
「大間まぐろ」で有名な青森県大間町の「おおま宿坊普賢院」は1日1組限定。「精進料理だけでは飽きる」と夕食に自慢の生マグロ料理を提供する。岐阜県関市の関善光寺(せきぜんこうじ)の境内にある宿坊「カフェ・茶房宗休」も1日1組限定で、併設するカフェで外国人も気軽にくつろげる。
こうした動向を後押ししようと、国も令和元年版の観光白書に「地域の新しい観光コンテンツの開発」として「寺泊」を明記。来年の東京五輪も見据え、インバウンド戦略の重要な柱と位置づけている。
和空の和栗隆史代表取締役は「寺の将来を考えた後継者らが、地域振興や新たな収入源と考えたのが宿坊。今後もさまざまなタイプが生まれてくるのでは」と期待する。