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IR、万博、インフラ整備 大阪・夢洲で工事同時多発も 交通アクセスに課題 (1/2ページ)

 大阪府市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の事業者公募が、今月から始まる。予定地としている大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」(大阪市此花区)は2025年大阪・関西万博の会場でもあり、府市は「万博までのIR開業」という理想をあきらめてはいない。ただ同時期にさまざまな工事が重複することになるため、アクセス道路の渋滞対策や業者間の調整が大きな課題になる。

 総面積約390ヘクタールの夢洲のうち、北側の約49ヘクタールがIR用地。工事を始めるには府市がIR事業者を決め、国に申請した上で、立地区域として認定を受けなければならず、それまでは土地の引き渡しができない。

 その区域認定のスケジュール自体がまだ明確になっておらず、再来年の2021(令和3)年7月以降としか定まっていない。吉村洋文知事も「21年秋に土地を引き渡してそこからトンカチ(工事)を始めるにしても、万博開幕までにどこまでできるか」と過密日程になるとの見通しを示す。

 夢洲では現在、万博予定地(約155ヘクタール)の埋め立てが急ピッチで行われている。来年からは地下鉄延伸、道路、上下水道のインフラ整備がスタートし、人工島内では種々の工事が同時並行で進むことになる。

 アクセス道路では現段階でも日常的な渋滞が発生している。大阪市内と夢洲を結ぶのは、夢舞大橋と夢咲トンネルの2ルートのみ。すでに稼働している夢洲のコンテナターミナルは近年、取扱量が増加しており、物流車両が列をなしている。市の担当者は「工事車両や資材が一気に集中すればさらなる混雑は必至。物流への影響も心配だ」と危惧する。

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