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久々のMTで汗だくに? アストンマーティン・ヴァンテージで「選択する喜び」 (1/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 英国のプレミアム・スポーツカー・メーカー、アストンマーティンのヴァンテージに、実に興味深いモデルが追加された。なんとマニュアルミッションモデルが追加されたというから驚きである。

 マニュアルミッション。そう、つまり、クラッチペダルを持つ3ペダル方式である。コンソールボックスから伸びるシフトレバーを前後左右にスライドさせながら走らせる、アレである。

 なぜ今さらMTを投入するのか

 オートマチック限定免許の所有率が高まり、日本国内のマニュアル免許の取得比率は4割を下回った。マニュアルミッションに馴染みのない世代も少なくない。海外でのマニュアル普及率はいまだに高いとはいえ、機構的にはマニュアルミッションと同質でも、クラッチペダルを持たない2ペダルシステムも普及している。いわば3枚のペダルを持ち、シフトレバーを操作しながら走らせるスポーカーは、減りつつあるように感じる。

 そんな時代に、アストンマーティンはマニュアルモデルをリリースした。なぜいまさら3ペダルマニュアルを開発するのだろうか…。

 その理由は明確である。古き良き、クルマを操る楽しさの再確認である。運転の主役がドライバー自身に委ねられていた時代への未練でもある。

 技術的な進歩が効率化を推し進め、クルマが自らの意志で動き始めるようになった。その延長線上には自動運転が待ち受けている。残されたそれまでの時間、ドライバーが主役であることの喜びを噛み締めるためのクルマが、ヴァンテージのマニュアルモデルなのだ。

 今、クルマは二極化の時代を迎えている。ドライバーの「選択」という楽しみ。移動手段としての「効率」という要素。大別して、そのふたつにはっきりと分けられている。ヴァンテージ・マニュアルモデルは前者である。

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