オーダーブックで読み解く外為市場

米国の対中関税引き上げ、英国総選挙…イベント目白押しで不安定化も (1/2ページ)

 先週の為替相場は米国の景気減速懸念が強まったことや、トランプ米大統領の米連邦準備制度理事会(FRB)に対する利下げを要求するようなコメントなどを受けて、米ドルが弱い推移となりました。

 今週はイベントが多い週となるため、結果を受けて、市場が不安定な動きとなる可能性があるため、注意が必要です。

 その中でも、為替市場では、米中貿易交渉への関心度が引き続き高く、直近では、12月15日に予定されている米国による中国への関税引き上げ前に、協議が進展し、関税賦課を避けられるかどうかに注目が集まっています。

 仮に、関税が賦課されると、中国側からも何らかの報復の可能性も考えられ、市場の不安が高まることが想定されるのに対し、米中協議が進展し、関税引き上げが回避されるような結果となると、市場のリスク許容度が改善することが想定されます。

 為替相場では、安全資産とされる円の変動要因となり、ドル円の値動きに大きな影響を与える可能性があります。

 このほか、米国では連邦公開市場委員会(FOMC)、ユーロ圏では欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が就任して初めてのECB理事会、英国では総選挙など重要なイベントが多数予定されており、それぞれの結果に市場が揺さぶられることが想定され、予想が難しい週となりそうです。

 安値を切り下げると売り注文増える可能性

 では、世界中に顧客を持つ外国為替証拠金取引(FX)会社のOANDA(オアンダ)が提供するオーダーブックで外国為替市場の動向を探ってみましょう。

 オーダーブックはOANDAの顧客の取引状況を公開したデータです。顧客の保有しているポジションの取得価格の水準(縦軸)と割合(横軸)を示す「オープンポジション」と、顧客の未約定の注文の価格水準(縦軸)と割合(横軸)を示す「オープンオーダー」の2種類のデータから成ります。

 ちなみに、ある通貨を買っている状態を「買いポジション」、売っている状態を「売りポジション」といいます。買いポジションを保有している場合、その通貨の価格が取得価格から上昇したら収益が上がり、逆に下落すると損失が発生します。売りポジションを保有している場合は、取得価格から下落すると収益が上がり、上昇すると損失が発生します。FXでは、それぞれのポジションとは反対の売買を行って決済(損益の確定)をする仕組みとなっているからです。

 先週のドル円は上値が重く、1米ドル=108円台中盤まで下落しています。

 OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾くなか、その多くが含み損を抱える苦しい状況に追い込まれており、安値を切り下げる動きとなると、損切り(損失を増やさないための決済注文)の売りが増えそうな気配となっており、下落が勢いづく可能性を見出すことができます。

 このため、下値を探る動きとなった場合には下落基調が本格的に強まる可能性に注意が必要な状況と考えられます。

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