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奈良県産イチゴの新品種 名称は「珠姫(たまひめ)」に

 奈良県産イチゴの代表格「アスカルビー」と「古都華(ことか)」に次ぐブランド品種として開発された「奈良9号」の名称が、「珠姫(たまひめ)」に決まった。大きな果実とさっぱりした甘みが特徴で、県は先行2品種に続く人気ブランドに育てたい考えだ。

 名称は6~7月に県ホームページなどで募集。延べ1150人の応募があり、生産・流通関係者らで構成される選考会議を経て、県が最終決定した。「珠姫」で応募したのは、奈良市と同県大和郡山市の女性2人で、「珠姫」を含む県産イチゴが贈られるという。

 選考理由について、農業水産振興課は「果皮に光沢があり、卵のように大きい奈良9号の特徴をとらえた親しみやすい名称として評価された」としている。農林水産省から出願公表を受けた今月12日以降、「珠姫」の名前を使えるようになった。

 珠姫は、県農業研究開発センター(桜井市)が約10年かけて完成にこぎ着けた新品種。試行錯誤を経て、昨年から「奈良9号」の仮名で生産者が栽培試験に入った。今年は天理市や奈良市などの生産者37人が取り組んでいる。

 アスカルビーは糖度と酸味のバランスが良くてジューシー、古都華は糖度と酸度がともに高く濃厚な味なのに対し、珠姫は酸味が少なく、さっぱりとした甘みが楽しめるという。

 県農業研究開発センターの調査(30年度)によると、珠姫の1個あたりの平均重量は33・6グラム。中には80グラムを超える大粒もあり、古都華(平均24・5グラム)、アスカルビー(同20・9グラム)に比べて、大きさが際立っている。

 同課の担当者は「高級果実店や、レストランやカフェのスイーツとしての利用が多くなるのではないか」と期待している。ただアスカルビーや古都華と比べ収穫量はごく少量で、生産者らは市場の反応をうかがっている状況という。

 奈良県のイチゴ作付面積はピーク時の昭和47年には869ヘクタールを誇ったが、大阪のベッドタウン化が急速に進んだことも影響し縮小。面積は当時に比べて、8分の1程度になっている。新品種の投入により、県はイチゴ生産の活性化に期待をしている。

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