オーダーブックで読み解く外為市場

クリスマス休暇前で値動きが荒くなる可能性 米中第1段階合意でも要警戒 (1/2ページ)

 先週は米中貿易協議の第1段階での合意成立への期待感が高まり、また実際に合意に達したことや英国の総選挙にてジョンソン首相率いる与党・保守党が過半数を獲得したことなどにより、市場のリスク許容度が拡大し、安全資産とされる円は弱い推移となりました。

 ただし、中国の米国産農産物の購入等に関して不透明な部分も残されており、終盤にかけては、期待が失速する展開となり、神経質な動きが続いています。

 このため、今週も、米中の貿易交渉に関する最新の報道に注意が必要な状況が続きそうです。

 経済イベントとしては、日本銀行の金融政策決定会合やイングランド銀行(BOE)の金融政策の発表が予定され、注目が集まりそうです。

 また、クリスマスの前週ということもあり、徐々に市場参加者が減少していくことが想定され、値動きが荒くなる可能性にも注意が必要です。

 1米ドル=108.40~109.75円付近の価格帯に注目

 では、世界中に顧客を持つ外国為替証拠金取引(FX)会社のOANDA(オアンダ)が提供するオーダーブックで外国為替市場の動向を探ってみましょう。

 オーダーブックはOANDAの顧客の取引状況を公開したデータです。顧客の保有しているポジションの取得価格の水準(縦軸)と割合(横軸)を示す「オープンポジション」と、顧客の未約定の注文の価格水準(縦軸)と割合(横軸)を示す「オープンオーダー」の2種類のデータから成ります。

 ちなみに、ある通貨を買っている状態を「買いポジション」、売っている状態を「売りポジション」といいます。買いポジションを保有している場合、その通貨の価格が取得価格から上昇したら収益が上がり、逆に下落すると損失が発生します。売りポジションを保有している場合は、取得価格から下落すると収益が上がり、上昇すると損失が発生します。FXでは、それぞれのポジションとは反対の売買を行って決済(損益の確定)をする仕組みとなっているからです。

 先週のドル円は鈍い動きが続きましたが、木曜日以降は米中貿易交渉の第1段階の合意への期待感、英国の総選挙の影響を受けて、1米ドル=109.70円付近まで上昇する動きとなりました。ただ、終盤には1米ドル=109円台前半まで押し戻され、週末を迎えました。

 OANDAのオープンポジションを見ると、1米ドル=108.40~109.75円付近の水準で構築されたポジションが売買共に多く、価格がこの水準を上下に抜ける動きとなると、売買のいずれかのポジションが苦しくなり、損切り注文(損失を増やさないための決済注文)が増え、価格が抜けた方向に勢いづく可能性を見出すことができそうです。

 このため、ドル円はこの1米ドル=108.40~109.75円付近の水準を上下いずれに抜けるかに注目したいところです。

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