趣味・レジャー

男はつらいよ“新作”「お帰り 寅さん」27日公開 山田監督「50年かけて作った」

 「男はつらいよ」の“最新作”「お帰り 寅さん」(山田洋次監督)が、27日から公開される。1作目「男はつらいよ」(昭和44年)から半世紀。いまだに寅さんは、多くの人の心の中に生きている。「その年月の重みは自慢していいんじゃないかな」。舞台挨拶などで山田監督(88)らが新作について語った言葉を集めた。(石井健)

 「拝見したとき、いつもの山田さんの作品とは何か違うものを感じた」

 そう証言するのは、寅さんのマドンナ、リリーの役で新作にも出演している浅丘ルリ子(79)だ。

 「男はつらいよ」は、渥美清が演じる寅さんこと車寅次郎の放浪と恋の物語だが、今回は小説家になった寅さんのおい、満男(吉岡秀隆)と初恋の相手、イズミ(後藤久美子)との再会が軸になる。寅さんは旅の空の下。いないのだ。悩みを抱える満男は、折に触れて伯父を思い出す。

 「人間は、なんのために生きているのかな」

 かつて満男が投げた問いに、伯父はこう答えた。

 「『ああ、生まれてきてよかった』。そう思うことが、何べんかあるだろ? 人間、そのために生きてんじゃねえのかな」

 寅さんの言葉は満男にとって教訓となるが、観客にとっても同様だろう。新作は、過去映像からえり抜いた寅さんの言葉で満ちている。

 「完成後、繰り返し見て思った。この作品を作るには、50年という歳月が必要だったと。その年月が、この作品の重さになっている」と山田監督は総括する。

 「50年かけて『男はつらいよ』の撮影が、やっと終わった」という感慨を漏らすのは、寅さんの妹、さくら役の倍賞千恵子(78)だ。

 倍賞によると「お兄ちゃん(渥美)は生前、シリーズについて『長い長い映画を撮り続けているようだ』と語っていた」という。それが「終わった」と倍賞はいうのだ。

 一方、さくらの夫、諏訪博役の前田吟(75)は、「脇役は難しい。その難しい役を楽しくできたのは、寅さんとさくらさんのおかげ。新作は、本当に楽しく演じられた」と笑顔を絶やさない。

 渥美は、「寅次郎紅の花」(平成7年)まで48作で寅さんを演じ、8年に亡くなった。今回は、25作目をデジタル再編集した49作目「寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」(9年)以来の新作。初作からちょうど50周年の通算50作目だ。

 「渥美清がこの映画を見たら、『おれ、びっくりしたよ』というんでしょうね。ここにいないのは残念ですが、一緒に作ったという思いです」と山田監督は語る。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus