教育・子育て

プログラミング教育、スタートに黄色信号 準備順調7県のみ

 今年4月から小学校で必修化されるプログラミング教育で、都道府県で準備状況にばらつきがあることが判明した。文部科学省が9日に発表した教育委員会対象の調査によると、埼玉県などは管内の市区町村教委の全ての小学校で教員が研修や模擬授業などを実施。一方、福島県などでは管内の2割以上の教委が「最低限必要な指導体制の基礎が整っていない」(文科省)とされ、1学期からのスタートに向け、黄色信号が点滅している。

 「もともとプログラミング教育に精通した職員がいない中で、4月からは英語や道徳の教科化が始まる。とても手が回らない」

 福島県会津美里町教委の担当者がこう打ち明ける。福島県では同町のほか、1割以上の教委が管内のすべての学校で模擬授業などを「実施していない、(今年3月末までに実施する)予定もない」と回答。一部の学校しか実施しない教委も合わせると、2割以上が準備不足の状況だ。

 このほか文科省の調査では神奈川、富山、島根の3県でも、管内の2割以上の教委が「最低限必要な指導体制の基礎が整っていない」水準であることが分かった。一方、すべての学校で教員1人以上が研修などを実施済みの都道府県は、茨城、埼玉、福井、和歌山などの7県にとどまった。

 文科省などはウェブサイト上で、具体的な指導事例や研修教材などを紹介しているほか、各教委の担当者を対象としたセミナーを開催するなど、準備を促す取り組みを進めているが、目指している「100%」には届かない状況だ。

 進捗状況が低調な都道府県について、担当者は「準備が進んでいる都道府県でも言えることだが、対応の速度について近隣自治体の進み具合を見て『横並び』で引きずられているのでは」と推測している。

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