語り合える場を
「がんイコールかわいそう」というイメージがあって、明るくふるまっていると「強がって偉いね」と言われてしまいます。でも、乳がんだけが私の人生じゃない。祖父は前立腺がんでしたが大工の仕事を続け、病気だってそぶりを見せなかった。父も腎臓が悪くてしんどそうなときもありますが、いつも私を気にかけてくれています。病気が全てではないし、ほかに目を向けるほうが人生が楽しい、と教わりました。
〈講演などで闘病を語る機会も増えた。昨年11月からは講談社のウェブサイト『コミックDAYS』で、漫画『27歳のニューガン・ダイアリー~ボクの美紀ちゃんが乳がんになった話~』(作・冬川智子)が連載されている〉
病気について話すときは、どうやったら伝わるか自分なりに考えています。漫画連載が始まりましたが、がんについて考えたことのない人にも読んでもらえたら。病気になっても普段通りの笑顔や仕事があり、日々生活していることを伝えたい。
AYA世代のがんは、まだよく知られていません。妊娠や結婚など若いからこそ将来への不安や考えなくちゃいけないこともある。もっとがんについて気軽に話せる場所があれば、体のことを知ることができるし、相手を思いやれるようになるんじゃないかな。
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やかた・みき 平成4年、大分県生まれ。21年から、SKE48として活動。29年2月に卒業した後、30年1月に乳がんと診断される。4月に病名を公表。現在はホルモン治療を継続しながら、イベントやテレビ番組に出演。リポーターやナレーターなどを担当する。著書に「きっと大丈夫。~私の乳がんダイアリー~」(双葉社)。