管理栄養士が工夫
料理教室の目的は栄養摂取や調理のノウハウを教えることだけではない。「食卓での会話やコミュニケーションの楽しみを取り戻してもらう。こうしたら食べられますよ、と最初の一口をお手伝いしたい」と東病院の千歳はるか栄養管理室長。
病院の管理栄養士が提案し、試作しては改良を重ねてきたレシピは1300品を超えたという。
千歳さんによると、がん症状別レシピ検索サイト「CHEER!(チアー)」は、症状、主菜・副菜などの料理区分、食材、フリー語句の4種類の検索が可能だ。例えば症状は、食欲不振、吐き気・嘔吐、味覚変化、口内炎・食道炎、下痢、便秘、消化器手術後、貧血の八つから調べられる。
検索結果の料理のページでは詳しい作り方のほか「一度に2品、体調が優れないときでもつくりやすい」「味が薄く感じる方向けの1品」「酸味が効いて、吐き気があってもさっぱり」などのコメントがある。
現在は100品目だが、今後の反響や寄せられた意見に応じて追加、充実させていく方針だ。
全田さんは「こうした取り組みをほかの医療機関にも広げていきたい。患者にどのような食事が望ましいかというテーマは(がん患者の生活の質を改善するために行われる)『支持療法』の一つとして研究されるべき分野だ」と強調した。