ヘルスケア

治療選択、どう生きたいかを考えて 患者・家族向けパンフ、ウェブ公開

 医学の進歩に伴って病気の治療法が多様化し、患者が迷う場面が増えた。そんなときの参考にしてほしいと、患者や家族に向けたパンフレットが、東京都健康長寿医療センター研究所のウェブサイトで公開された。「これからの治療選択に迷っている人とその家族の方へ」はカラーイラスト入りで全16ページ。トヨタ財団の助成を受け、同研究所が群馬大、東京医療保健大の協力を得て作成した。

 前書きではまず「患者や家族に準備してほしいこと」として、どう生きたいか、思いを医師や看護師に伝えることだと解説する。

 本文で要約されたポイントの一つ目は、どうしたいかの「希望を伝えること」。次に「医療者からどんなことができるのかを説明してもらい、その後の生活の目標を立ててみる」ことを勧める。

 「(将来自分の治療を決めるかもしれない)家族と先のことを話し合い」「家族も無理せず」支えられるようにすることも大切。痛みや苦しみは「遠慮せず、具体的な表現で医療者に伝える」ことが緩和につながる。家族には「患者が苦しんでいるときには治療を続ける必要があるか、医療者に相談することも検討」するよう促した。

 体調、病状だけでなく、自宅や家族の状況に応じて治療を選ぶ必要性を説いた後、自分らしい暮らしを諦めず最後まで自分らしく生きるため、「医療者が必要な情報を提供してサポートします」と結んでいる。

 作成に当たった同研究所「福祉と生活ケア研究チーム」の島田千穂研究副部長は「病気のプロセスは患者によって違うが、終末期になってから考えるのではなく、治療選択の段階から、どう生きたいかを考えてほしい」と話している。

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