クルマ三昧

ネット予約後は“放置”? テスラの前衛的な販売手法は日本で通用するか (1/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 アマゾンでポチる感覚

 テスラからようやく納車の案内が届いた。待ちに待った…と言っていいだろう。だって僕がテスラ・モデル3の先行予約をしたのは数年前のことになる。2年前だったか3年前だったか…。つまり、数百万円もする一台の車を購入するというのに、その日がいつだったか思い出せないほど昔に予約を入れていたのだ。

 予約の日を忘れてしまったのにはもうひとつ理由がある。先行予約はテスラの申込サイト経由であり、あっけないものだった。セールスマンと面を合わせて契約書に押印したわけでも、分厚い書類を取り交わしたわけでもない。氏名やアドレスをサラサラっとうながされるに従って書き込み、まるでアマゾンでポチッとするかのように「ENTER」を押しただけなのである。

 先行予約金の15万円はカード決済である。文房具や書籍を買うような気安さだったことが、大切なテスラ先行予約記念日を忘れてしまった理由のひとつだろう。

 あまりの淡白さに驚き

 実はそのさらりとした対応は、今日まで続いた。予約したはいいものの、どこからも案内が届かないのだ。数百万円もするクルマを購入するのだから、販売店の担当者が菓子折りでも手にやってくるのだと身構えていたし、それを数年も待たせるのだから、客の気が変わらないようにあの手この手で時間稼ぎをするのだろうとも期待していたが、音信はまったくなかった。対応の淡泊さに驚くばかりである。アメリカ企業だからと期待していたクリスマスカードすら届かないのである。

 「せっかく手紙をいただいたのなら必ず返信するように…」

 戦前生まれの母からそう厳しく躾けられてきたから、メールには間を開けず返信する癖がついている。既読スルーには敏感である。だというのに、クルマ購入スルーの仕打ちに良く耐えたと我ながら思う。

 「詐偽にでもあったか…」。この業界のつてを頼って確認を急いだ。「確かに予約されてますね…」。少なくとも詐欺師に騙されたのではないことを確認してほっと胸をなでおろしたのが数年前…という淡泊さである。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus