経済インサイド

「老後2000万円」、本当に必要なのは誰なのか (2/2ページ)

 一方、2000万円といわず、数百万円の貯金に成功したとしても、あっという間に使い果たしてしまう可能性がある。

 取材を通した実感では、配偶者と死別したり離別したりした高齢者は注意が必要だ。取材したある一人暮らしの高齢者(男性)は、会社を定年退職後、寂しさもあって毎晩のようにカラオケや居酒屋に通い詰め、百数十万円の貯金をわずか2年で使い果たしてしまった。特に無駄遣いせず普通の生活をしていても、数百万円程度なら、すぐ使ってしまう可能性がある。

 むしろ必要なのは、預貯金をある程度、用意しながらも、老後も収入を継続的に受け取れる準備をしておくことだ。最も有効なのは、仕事を続けることだろう。企業は高齢者にもっと門戸を開く必要がある。高齢者自身は、元気に働けるくらいの健康を維持しておかなければならない。

 もう一つは、生活の支出をなるべく減らすことが必要だ。生活の苦しい高齢者を支援をしている人らに聞くと、特に大きいのは家の支出だ。月10万、20万円といった住宅ローンの返済を続けていたら、生活は苦しくなる。可能なら現役を引退する前にローンの返済を終え、家を完全に「持ち家」にしておくほうがよい。賃貸なら、なるべく家賃が安い住宅に住む必要があるが、「一般的には、亡くなったりする可能性が高い高齢者は、部屋を借りづらい。私は高齢者にも部屋を貸しているが、病気がないか慎重に調べる」(70歳代のアパートオーナー)。

 収支のバランスがとれた生活を、どう実現するかが老後のカギとなる。(山口暢彦)

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