~から

村民支える「買い物ツアー」 月1度、高齢者ら楽しむ (2/2ページ)

 ■実物を見て選びたい

 「商品選びの相談や荷物を運ぶボランティアとしてツアーを手伝いはじめ、高齢になった今は参加者」と話すのは、吉田ひろ子さん(71)だ。母親を見送ったのをきっかけに54歳で仕事をやめ、移住ブームに乗って東京都品川区から越してきた。運転免許はないが、家はバス停に近く、診療所や郵便局は歩ける距離。生活に支障はないはずだったが、近所にあったコンビニエンスストアが閉店し、年々歩くのが辛くなった。生協の配達を利用するが、「やはり実物を見ながら選びたい。買い物はストレス解消にもなる」とツアーを心待ちにする。

 買い物先や車内では、参加者の会話も弾む。山口い志江さん(87)は3年前、夫に先立たれた。共に経営していた、村に3軒しかなかったガソリンスタンドを休業し、運転免許も返納した。買い物は路線バスを使ったり、隣県に住む娘に頼んだりもするが、「ひとりで家にいると寂しい。ツアーは楽しいから」と毎回参加している。

 同行した村住民健康課の嘱託職員、日下部郁美さんは「代金の計算に頭を使い、車内や昼食中も会話が止まらない。引きこもりがちな高齢者にとって、外に出る良い機会」と語る。午後3時過ぎ、買い物袋を手に帰っていく参加者の顔は充実感にあふれていた。

 特設サイト「~から」は、厚生労働省の「介護のしごと魅力発信等事業」の一環です。

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