貧困家庭に限らず子供たちに食事を提供するほか、共同運営する地元大学生が勉強も教えている。独居の高齢者や子育て中の母親らも含め、毎回約100人が参加するという。このほかにもヨガや精進料理の教室を開催しており、河口智賢副住職(41)は「集い、学び、遊べる『未来の寺子屋』を目指している」と語る。
寺院経営のコンサルティングを手がける「お寺の未来」(東京)が28年、全国の1万人を対象にした調査では、「特定の寺の檀家」と答えたのは29%。「檀家でない」54%が大きく上回った。
「お寺の未来」は、信頼して付き合える寺探しに役立ててもらうウェブサイト「まいてら」を運営。地域活動が活発で財務状況も安定している寺を紹介する。
井出悦郎代表理事(40)は「駆け込み寺との表現もあるように、善意の第三者となる力が寺にはある。従来の死者儀礼中心ではなく、いかに個人の生き方に関わりを持つかが重要になっている」と語る。