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EXILE小林直己さんの新聞活用術 「新聞は体験型エンタメだ」 (2/2ページ)

 そういう視点を持つようになったのは、ネットフリックス(米動画配信)の作品に出るようになってからです。監督は英国出身、主演女優はスウェーデン出身、カメラマンは韓国出身、共通言語は英語。会社として事前に「こういう言い回しはハラスメント(嫌がらせ)になる」という時間を設け、現場で共有しました。グローバルな世界で個々につきあっていくには、メディアが提供する情報を受け身で待っているのではなく、積極的に自分で収集していかないと置いていかれる、という危機感を持つようになりました。

 多様性が求められる北米の映画製作シーンで、日本語を母国語とする自分がどう切り込んでいくか-を考える上でも、新聞が報じる記事の視点は参考になります。自分の中のアンテナに引っかかった記事にも意味があると信じています。

 何重にもチェック

 誰もチェックせずにアップロードされるネット上の情報と、新聞社の中で何重にもチェックされた上で作られる記事は全く異なると思います。個人的にはSNS(会員制情報サイト)は苦手ですね。もし裏のとれていない情報を流したら、誰かの人生を変えてしまう恐れがありますから。

 新聞の良いところは、簡潔に情報がまとまっていることです。最もわくわくする「体験型エンターテインメント」と言えるかもしれません。ニューヨークでは今、自分の選択によって自分の知る物語が変わってくる体験型のエンタメが人気です。新聞も今起きている話を扱っている。しかも自分の現実に影響している。能動的に記事を読めば、世界の風景も変わってみえてくるはずです。そんな読み方をすれば、若い世代の人も新聞を楽しく読めるのではないでしょうか。

 こばやし・なおき 昭和59年、千葉県生まれ。平成21年、EXILEにパフォーマーとして加入。22年結成の三代目J SOUL BROTHERSのリーダーをNAOTOとともに兼任。一方、俳優としても舞台やドラマ、映画で活躍。Netflixオリジナル映画「EARTHQUAKE BIRD」でハリウッドデビュー。米ウォールストリート・ジャーナル紙にも日本の礼儀作法など「型」に関するコラムが掲載された。新聞に書評を寄稿するなど読書好きとしても知られる。

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