ヘルスケア

“世界的大流行”は否定 テドロスWHO事務局長が強調「備えに集中するとき」

 【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は24日の記者会見で、新型コロナウイルスについて、イタリアやイラン、韓国などで感染が急増していることについて「深く懸念している」とする一方、「現時点で膨大な数の重病者や死者を目撃していない」として「パンデミック(世界的大流行)という言葉を使用することは事実にそぐわない」と述べた。

 パンデミックは、感染が地球のほとんど全体に拡大する状態を指し、過去には世界で4千万人が死亡したとの推計もある「スペイン風邪」(1918~19年)などが知られる。

 テドロス氏は「新型コロナウイルスがパンデミックとなる可能性があるかと聞かれれば、絶対にあると答える」と警戒を強めつつ、各国がパンデミックに向けた「備えに集中するときだ」と強調、対策の強化を促した。

 パンデミックに備えるために、医療従事者の確保や医療制度が整備されていない途上国の保護などを「優先すべき」と強調した。

 また、WHOの国際調査団が中国での活動を終えたことを明らかにし、中国での流行は1月23~2月2日がピークで、感染者の最も多い武漢での新型肺炎による致死率は2~4%、武漢以外では0・7%だったと報告した。

 WHOで緊急事態への対応を統括するマイク・ライアン氏は24日、WHOの調査チームが25日に感染状況を調べるためにイランに入る計画を発表した。

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