厚生労働省の専門部会は26日、世界一高い薬とされる脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」の国内での製造販売を了承した。3月中に正式承認される見通し。遺伝子治療薬としては国内2例目となる。
製薬大手ノバルティスファーマが申請。米国では食品医薬品局(FDA)が昨年5月に承認した。1回の投与で治療が終わるが、米国での費用は2億円以上。日本でも承認を経て今年5月にも保険適用され、高額の薬価が公的医療保険の財源に影響する可能性がある。脊髄性筋萎縮症は生まれて半年ごろまでに筋肉の萎縮や呼吸困難が出る難病。特定の遺伝子の機能が欠けるのが原因で、患者の多くが2歳までに亡くなるか、人工呼吸器を生涯装着する必要がある。小児期までに10万人に1~2人が発症する。
薬は2歳未満の患者が対象。静脈注射で投与して正常な遺伝子を導入し運動機能の回復を目指す。ノバルティスは年15~20人が使うと試算する。