教育・子育て

全国一斉の臨時休校…新型肺炎での異例措置、学校や家庭で混乱も (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国すべての小中高校などを週明けの3月2日から臨時休校にするよう求めた政府の方針。年度末でもあり、教育現場に及ぼす影響は深刻だ。年間に必要な授業時数は確保できるのか。学習に遅れは出ないのか。そして母子家庭や共働き世帯などでは低学年生の世話を誰が見るのか。異例の措置に、学校や家庭の混乱も懸念される。

 「驚いている。しかし政府の方針が示された以上、教育現場が混乱しないよう最大限の措置をとる。そのための具体策を検討している」。文部科学省幹部は、今回の方針が官邸主導で急遽(きゅうきょ)発表されたことを認めつつ、こう話した。

 文科省は今月25日、必要に応じて臨時休校を検討するよう求める通知を全国の都道府県教育委員会などに出したが、各自治体の判断を尊重し「一律の自粛要請を行うものではない」(萩生田光一文科相)としていた。それが一転、一斉の休校要請となった。

 懸念されるのは、休校中の児童生徒の学習の遅れだ。学校教育法施行規則などには年間に必要な授業時数が定められている。年度末のため、休み明けに繰り越すことはできない。

 文科省は「進級や進学に不利益が生じないように配慮する」とし、授業時数が足りなくても法令違反にならないとの見解を示した。ただし、児童生徒の学習に遅れが出るのは避けられない状況だ。家庭学習を課そうとしても、プリントなどを準備する時間がほとんどない。文科省は「家庭学習用の教材の紹介など、各教委とも連携しつつ、できる限りの対策に努めたい」とする。

 働く母親らの間では当惑と不安が広がった。

 「北海道の学校が休校になっていたのであり得るとは思った。困るけど、仕事は休むしかない」。小学3年の娘がいる東京都江東区の女性会社員(34)はこう話し、「外出は控えたほうがいいのなら家にいるしかないが、子供はストレスがたまらないか心配だ」と不安を口にした。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus