クルマ三昧

反則スレスレの車両も? 各社が極限性能を競う聖地ニュルブルクリンクとは (1/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 ドイツ車を鍛える2つの「道」

 「道がクルマを鍛える」とは多くの偉人が口にした言葉である。その意味を尊重するのなら、ドイツ車の操縦安定性が優れていると高く評価されているのは、国土に2つの個性的な道があるからなのだろうという結論に達する。ドイツには、速度無制限区間が存在するアウトバーンがあり、世界一苛酷なニュルブルクリンクがある。その2つの「道」がドイツ車の走行性能を鍛え上げていることに疑いはない。

 野山を切り開いて造成して完成したニュルブルクリンク北コースは、1周20.8kmもある。コース幅は狭く路面は荒れている。アップダウンは激しい。高低差は300メートル。「カー・ブレイク・コース」との異名を取る。完成度の甘いクルマでは、操縦性の云云以前に、マシンが故障してまともに走行ができないことからそう命名されているのだ。こんな過激なコースで鍛えられているから、ドイツ車の耐久性が秀でており、操縦安定性が認められているのである。

 ニュルブルクリンクは、量産車タイムアタックの聖地とも言われている。1周20.8kmのコースは過激であるからつまり、このコースでのラップタイムがクルマとしての完成度の証明書になる。公式に記録されるものではないのに、いつしかメーカーが自慢のクルマを走らせ、タイムを計測し、優れた記録が得られればそれを公開するようになった。けっしてレーシングマシンではない。公道を走ることの許された量産モデルでのタイムアタック合戦である。

 かつては僕も、各メーカーの依頼を受けて、ニュルブルクリンクのタイムアタックに挑んだことがある。その時に記録したスカイラインGT-RやインプレッサWRX STIでのタイムは、カタログに記載されたほどである。それほどまでにメーカーはニュルブルクリンクでのタイムに重きを置いているのだ。

 実はいま、FF駆動方式モデルでの世界最速争いがヒートアップしている。ガチガチのライバル関係にあるのは、日本の雄である「ホンダ・シビック・タイプR」とフランスの刺客「ルノー・メガーヌR.S.トロフィーR」だ。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus